心のかたち・言葉のかたち

どんな気持ちで詩をかいたのか、どんな気持ちで歌っているのか。 そんな事をちょっとだけご紹介。


光る砂
~遥かな時と大地の国の名前、エジプト


歌風は今までに一度だけ、海外旅行をしたことがある。
この歌は、その時のことを詩にしてみた。
どうしても、使いたかった言葉がある。
「聖なる地球の欠片」
砂漠に住む人々は、風に舞う砂を、そう呼ぶのだと言う。
私もその砂を手にとってみた。透き通って、キラキラ光る砂粒。 それは美しかった。

その国で、私は一人の少年に出会った。
観光も買い物も、ひとりで行動する事が多かったので、自然と出会いは多くなっていたけ れど、彼には言葉が通じないながらもバザ- ルを案内してもらった。彼は香水店で働いていて、真っ先にその店に入った私に香水瓶を 一つプレゼントしてくれた。
バザ-ルでの買い物は値段は決まっていないので、値段交渉もコミニュケ-ションの一 つ。おそらくそれ程安い買い物はしていないだ ろうけど、どこへ行っても飲み物を出されたりプレゼントを貰ったりした。 香水店の彼の知り合いの店ばかりだったからかもしれないけれど、私が相当子供に見えて いたのだろう。 彼も、私の事を年上だとは思っていなかったに違いない。顔立ちがあまりにも違いすぎる ので、お互いに年齢はわからないのだけど、 多分彼は15,6歳だったと思う。私の方がだいぶお姉さん。

歌の中では、色んなことをミックスして実際と異なる世界を歌っている。
この旅行も私は恋人と行った訳ではないし、件の香水店の少年とはバザ-ルでちょっと案 内してもらっただけ。
でもこの砂の国は私の憧れでもあり、感情・情緒・感動・・・様々なものを掻き立ててく れる。 そして、いつかまた、ここに戻って来たい。
そういう気持ちをこめた歌。ナイルの水は飲んでこなかったけれど・・・。



FROZEN


Scavengerでオリジナル曲を作る、という話になった時、一番始めに書いた詩。 メロディの事は考えずに書いた。
「FROZEN」
この言葉をタイトルにしようと思った。感覚で決めたので、何故かと訊かれても困る。
この言葉の色。薄い紫と、白と光の色。
そこから、バラバラになってしまった、そこにあるべき言葉を探した。
地球には、・・・私の住んでいるこの国には、こんなに沢山の人がいて、こんなに生命と いうものが存在しているのに、時々、全く生 命を感じられない瞬間がある。 生きて動くものも妙に無機質で、誰も呼吸をしていないんじゃないかと思う瞬間。 不安を感じる心も、凍りついたように冷たい。
私も、その無機質なものの一部。
自分が生命である事の確証を探してしまう。
凍って、砕けてしまいそうな生命。

少し曇って、雨が降る前の空気を感じる夜明け。
少し怖くもある朝。
一番、不安な時間。

よく逢魔が刻と言う。
夜へ向かう時間。不安さは、そういう時間の方が強いのではないかと思う。だけど私は、 夜に向かうその時間に不安を覚えることは少 ない。
自分が「向こう側」へ行ってしまいそうな気がする事はある。
でも、薄暗い朝の時間は、世界そのものが変質して、私だけが「こちら側」へ取り残され そうな気がする。
その、不安。

だから、感情を凍らせる。






私の強気な所と、無神経な所。知られたくないけど、特別な人にだけは知ってほしい、私の弱い所。
そういうものを普通に書いて、普通にメロディにした。工夫もしなかったし、飾りもない。歌う時もそう。ストレ-トに歌うべきなんだと思う。だから毎回、歌が変わってしまうんだけど。。。
自分が別の所を見ている時、一人でも生きていけそうな気がする。
でも、見ている先の誰かが自分を見ていない時は、欲張りになる。
視線でも、言葉でも、なんでもいいから。
「君」は、そんな身勝手な私をただ黙って見ている。友達かもしれないし、過去に好きだった人かもしれないし、私自身かもしれない。

雨は、すぐには気づかない。そして、一度振り出すと簡単にはやまない。
言ってしまった言葉は取り返せない。
私には、「君」の雨を止ませることは出来ない。傘を差し出すことさえ。



ひまわり


私は、空を見るのが好きです。
空に浮かぶ雲。飛ぶ鳥。時間がゆっくりと流れていく。
ちょっと眩しい、子供の頃の夏。思い出してみても、戻れる訳じゃない。
戻りたいなんて、そんな風には思っていない。
ただ、今は今なりに、あの時の気持ちになれるかもしれない。
家の庭に、その頃咲いてた向日葵。夏と言ったら向日葵なんて、ちょっと単純かな。
暑さとか、音とか、記憶を呼び覚ますものって沢山あると思うけど、この詞を書いた時は視覚の記憶をたどってみた。実はワンピ-スとどっちにしようか迷ってたんだ、タイトル。この曲の主人公はね、青いワンピ-スを着ているのですよ。
知らなかったでしょ?(大笑)



ROSE


ある意味で、私の人生を変えたあなたへ。

ちょっと大人っぽい詞に挑戦しようと思って書いてみたら、何だか英語の曲の訳詞みたいになってしまいました。
結構攻撃的に書いたつもり。
一応ね、自分の中で経験してる気持ちとか、ちゃんと入ってるんですよ。もちろんストレ-トに、じゃないけど。
そもそも私って、感情をストレ-トに出す方じゃないのね、特に恋愛に関しては。
だから、詞に書くにしても、実は苦手。すごいチャレンジだった訳。
そしたら訳詞だし(笑)。
これはホント、曲がないと成り立たない。って、もしかしたら自分で決めつけてるのかもしれないけど。
最初は、正直この詞はボツかな~と思ってました。
曲になったらなったで、なかなか難しい曲になりましたけどね。
好きなんだけど、難しいわ。
私にしては珍しいタイプの詞、かな?



少女


私ね、子供の頃、暗い子だったの。いわゆるいじめられっこって奴。そのうち事情が変わって、自分からみんなを遠ざけるようになったけど。
大人になる瞬間って、あると思うのね。子供は子供なりに、色んなものが心の中に渦巻いていて。そんな怖さ、みたいなものを表現したかった。
大人になった今より、もしかしたら子供の頃の方がある意味では大人だったのかも。
私って、あんまり可愛くない子供だったと思う。自分の生涯の終わりとか、いつも考えてた。何が起こっても心を閉ざしてるから驚きもしない。
「全て、予想出来ない程の事じゃない」
中学生くらいまでの私を知ってる人には、ナイフみたいだったって言われる。
多分、その頃の私も、今の私のどこかに存在してる。
この詞では、私の体験ではない「リアル」を書いたけど、根の怖さは、一緒のもの。
思い出してみて。何かを失ったあの時の怖さ。



たとえば あしたのこと


何か書こう!と思った時、どうも暗いものが多かったから、この詞は意識して明るくしようと思いました。そうしたら、ちょっと普段使う言葉に近くなって。もしかしたらこれはScavengerの曲とは違うかもしれないなあ、と思いながら、自然に出てくる言葉に任せてみました。
だから、どこも作ってないし気取ってない。欲張りで前向きな自分もいれば、不器用で一応ダメなものはダメってわかってる自分もいる。
どっちの自分も、受け入れていたい。だって、否定したってそれが私だしね。
かっこつけたら気分がいいかもしれない。実際、そういう時もある。
だけど、やっぱり気の抜けた日常が居心地いいんだよね。
毎日が楽しかったらいい。笑っていられたらいい。もちろん、そういう日ばっかりじゃないけど。。。
いい事ないかなって探すんじゃなくて、この瞬間を楽しめたら、きっといい事はやって来る。
私ってラッキ-体質&楽観主義なんだ。


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